July 4, 2017

習慣と文化

人に会うとき

カンボジアの正式な挨拶をソンピア(手を合わせ、お辞儀する方法)といいます。相手の地位によって手を合わせる位置が決まり、仏像に拝むときには頭の上で、王様には額の高さで、僧侶や両親、先生には花の高さで、その他年上の人には口の高さで、年下の人にはあごの高さで手を合わせます。

カンボジア人はとても友好的で、見ず知らずの人にも明るく話しかけます。一度近くを通っただけなのに、食事に招待されることもあるかもしれませんが、驚かないでください。

初対面の相手が異性の場合、肌に触れたり握手などはせず、少し距離をとることが習慣になっています。しかし同性の場合は、握手をしたり肩に触れることもあります。仏教文化において、頭部は神聖な部分とされているため、相手の頭に触れてはいけません。子どもの場合も同様です。

質問のマナー:自分自身が聞かれたくないことは、カンボジア人にも質問しないでください。「私の年齢は16歳だけど、実際は60歳みたい」とジョークのように言う場合もありますが、答えたくないこともあるでしょう。

カンボジア人と友達になるために一緒に写真を撮影することは、おすすめのアイデアです。カンボジア人はあなたがクメール語(カンボジアの公用語)を話すと喜びます。「チョムリアップスオ(こんにちは)」「オークン(ありがとう)」「リアハウイ(さようなら)」など簡単な言葉にチャレンジしてみてください。

 

レストラン

カンボジアでは大皿料理を分け合って食べることが一般的です。カンボジア料理はスープ、炒め物、焼き物、蒸し物、麺料理の5種類に大別できます。代表的なカンボジア料理としては、椰子やバナナの葉に盛り付けられたアモック(魚、チキン、野菜など)、カンボジアカレー(レッドカレーまたはグリーンカレー)などが挙げられます。
特に欧米人のお客様について、カンボジア地元レストランでのオーダーに時間がかかる様子がみられます。回転のはやい小さなレストランの場合は、できるだけ早いオーダーを心掛けてください。

町中のレストランでは料理と一緒に箸やスプーン、フォークなどが用意されますが、農村地域ではスプーンやフォーク又は手を使って食事をすることが一般的です。ナイフは縁起の悪いものと考えられているため、ほとんどの場合はテーブルの上に用意されていません。観光客の多い町中のレストランでは写真入りのメニューも用意されていますが、郊外のレストランに行く場合は周囲の人の食べている料理を参考にして注文をしてください。

カンボジアでたくさんの野菜と並んで、赤アリなど昆虫を食べる食文化があります。バッタやタランチュラを食べることも地元特有の食文化です。

シェムリアップやプノンペン、シハヌークビル、バッタンバンなどの都市部では、様々なレストラン(国際的なチェーン店もあります)で各国料理を食べることもできます。

ほとんどの場合、会計は食後になります。支払いをしたいサインを伝えると、スタッフが計算をしてくれます。チップやお心付けは、お釣りを受け取った後にお気持ちでお願いします。

 

市場

カンボジアの地元市場では、価格交渉もひとつの文化です。恥ずかしがらずに値段を聞いてみてください。場合によっては同じものでも値段が2倍も違うことがあります。賢くショッピングをするためにはいくつかのお店をチェックすることをおすすめします。値引きのコツは、お店を少し離れてみることです。そうすると店員が追いかけてきて、ベストプライスでお買い物をすることができます。

基本的にシェムリアップなどの観光地では、カンボジアリエル(4000リエル=US$1)とアメリカドルが引き出せるATMも多くあり、ほとんどの物をアメリカドルで買うことができます。ただし一部の大型ホテルや高級店を除いて、クレジットカードが使用できないお店も多くあります。

地元のお土産物がほしい場合は、カンボジア女性による手織りのテキスタイルを探してみてください。ただしなめらかに見えるものは中国からの輸入品も多いです。カンボジア土産には、伝統的で色々な場面で使用できるスカーフ「クロマー」がおすすめです。クロマーは綿や麻、シルク素材でできています。

アンティーク品を探す場合は、美術省から指定を受けた公正なお店をご利用ください。闇市場での購入は危険です。

 

仏教寺院

カンボジア人の85%は仏教徒です。カンボジア全国で僧侶が生活している仏教寺院を見ることができます。僧侶のほとんどは剃髪し、黄色の袈裟をまとっています。

仏教寺院に入るときは、お堂等に入る前に帽子を取り、靴を脱ぐようにしてください。

 

医療

カンボジアでは病気になると、病院ではなく比較的医療費のかからない薬局に行くことが多くあります。一般的に薬局は症状に応じた補助的な医療を行っています。薬を購入するにあたって処方箋等は必要ありませんが、症状を詳細に伝える必要があります。

大規模な病院や薬局に限り、英語を話すスタッフが常駐している場合もあります。一般的に、医師は英語とフランス語の教育を受けていますので、それぞれの外国語を話すことができます。インターナショナル病院は規模が大きい一方で、治療費は高額になっています。

ハーブ等による伝統的な治療を希望する場合は、市場などで施術を受けることが可能です。その際は治療に詳しい地元の人に同行してもらうことをおすすめします。

また無資格で営む薬局は政府によって厳しく取り締まられています。

安全について

長期にわたってカンボジアを旅行する場合、地元電話会社のSIMカードを挿入した携帯電話をもつこともおすすめです。非常時のために地元の緊急ダイアルとして、警察や救急、消防の番号を控えておいてください。シェムリアップはカンボジア国内においても最も安全な街に位置づけられています。しかし市政府は低賃金ということもあり、いまだに賄賂や汚職の問題も多くみられます。

またプノンペンでの女性ひとり旅には、夜道を歩く際に一層の注意を払う必要があります。

スリ事件は暗いエリアを歩くなど、深夜に起こっています。シェムリアップではパブストリート周辺でお酒に酔った人が多くなる午前1時から4時ごろに頻発しています。